2022/08/27 22:37
「Dsporte Casanova」というボクシングギアのブランドを、知っていますか?
このブランドを有名したのは1977年に公開された映画「ロッキー」であり、この映画公開を経て一気に市民権を得た、と言って良いと思います。
さて、メキシコ国外にあまり出る事のないこのCasanovaについて、調べうる範囲でお伝えしていこうと思います。
成り立ち
現在の「Desporte Casanova」(以下、Casanovaと表記)の誕生は1948年の事のようです。
このボクシングブランド誕生を主導したのは、アルトゥーロ・クーヨ・エルナンデス。
ボクシングファンならこの名前は聞いたことがあるかもしれません、1970年代のメキシコの黄金時代を彩ったルーベン・オリバレス、カルロス・サラテとアルフォンソ・サモラのZボーイズ、他にもルペ・ピントールやリカルド・アルレドンドを育て上げ、そして「最後の最高傑作」としてあのリカルド・ロペスを育てた名伯楽。
まさにメキシコボクシング界で最高のトレーナーと言っても良いこのクーヨが、マルセリーノ・ゴンサレスとともに設立したのがこのCasanovaだそうです。
その後、Casanovaを続ける事に興味を示さなかったクーヨ・エルナンデスに変わり、このマルセリーノ・ゴンサレスが舵取りをして今まで継続してきたCasanova。現在は娘のアンバー・ゴンサレスが引き継いでいるようです。https://boxingcafe.base.shop/categories/4522819
ロッキー
1977年に公開された「ロッキー」という映画のことを知らない人はいないでしょう。
シルベスター・スタローンが初監督、初主演したこの映画は、1億1700万ドルの興行収入を得ましたが、なんと制作費はたったの110万ドル。誰も期待をしていなかった映画の大ヒットは、ボクシングでいうアップセットを思い起こさせるものですね。
当時無名だったスタローンには予算がなく、ロスでいくつものスポーツ店をまわっているうちにCasanovaと出会い、そこでそのグローブを気に入った事で購入、映画に使ったとのこと。
何のスポンサードでもなく、Casanovaが提供したわけでもなかった。
ただただ、何の実績も、予算もないスタローンのチームが、ロスのスポーツ店で購入した、というだけの縁。純粋に、お眼鏡に叶った、というものです。こんな事は、奇跡以外のなにものでもありません。
それでもこの映画の大ヒットの効果で、Casanovaも世界的な日の目を浴びたようです。
(ちなみに、ロッキーの続編ではもちろんスポンサーから提供されているグローブを使っているため、Everlast社製等。ここ数年のクリードについては、Grant社製が主になっています。)
レジェンドたちのギア
このCasanovaのグローブは、ルーベン・オリバレス、カルロス・サラテ、ラウル・マシアス、リカルド・ロペス、ウンベルト・ゴンサレス、ダニエル・サラゴサ等々のクーヨ・エルナンデス傘下のレジェンドボクサーたちが好んで使っていました。当時は強制的ではなく、各ボクサーたちが自分の好みのグローブ(=Casanova)を使っていたと証言がありますが、現在では各ボクサーは(有名になればなるほど)スポンサーの影響を受け、各トップボクサーは世界王者になろうという頃には、スポンサードされるために別のグローブを使うことが多いようです。
これは、以前よりも様々な媒体にトップボクサーたちが登場することで、広告塔としての価値が高まった、ということなのでしょう。
ちなみに、現在でもイグナシオ・ナチョ・ベリスタイン傘下のボクサーたちは、好んでこのグローブを使う事が多いようです。https://boxingcafe.base.shop/categories/4522819
唯一無二のメキシカン・グローブ
このCasanovaのグローブは、全て受注生産品です。
当サイトでもフルカラーオーダー可能、と謳っていますが、基本的に全てが「フルカラーオーダー」なのです。
このカスタマイズは、通常のボクシングブランドではトップボクサーのみに許される行為ではありますが、Casanovaはファースト・グローブからオーダーが可能。それも、ネオンカラーも含めた本当に多くのカラーから選ぶ事ができます。
(当ショップでフルカラーオーダーをご依頼頂く場合は、事前に打ち合わせをさせていただきます。)
現在でも、Casanovaのグローブ、ミット等々はすべてハンドメイド。革の裁断、パッド用のラテックスも手作業で行われているそうで、グローブに触れる機械はミシンのみ。
このハンドメイドの技術は、その他のメジャーなグローブメーカーからのアプローチを受けています。
アンバー・ゴンサレスによると、タイトル社、アディダス社、そしてグラント社がこれまでこのCasanovaを吸収しようと働きかけてきた(けど断った)、とのことです。
世界的に非常に評価の高いCasanovaのグローブですが、現状、メキシコ国外へ渡る事があまりありません。
しかし、当ショップではメキシコ工場とのコネクションを得、販売を可能とさせていただきました。是非ご検討ください。
補足
この「Desporte Casanova」というメキシコのブランドは、アメリカで展開される「カサノバ」(区別するため、カタカナ表記とさせていただきます。)とは別のブランドです。SNS等で、アメリカのカサノバは「Casanova Boxing」と表記されていますが、歴史があり、メキシコ発祥のハンドメイド・グローブメーカーは「Desporte Casanova」ですのでご注意ください。
尚、アメリカでこの「Desporte Casanova」のグローブは、「Necalli」というブランド名で売られています。この「Necalli」の名前でアメリカで流通しているボクシングギアは、メキシコの「Desporte Casanova」で作られてものであり、上述したマインドを有しているグローブです。
ご注文の際の注意点
・メキシコ工場とのやり取りですので、なかなか時間が合いません。そして受注生産のため、時間もかかります。更にメキシコ人はあまり取引に対するスピードが豊かではないので、気長にお待ち頂く必要がありますのでご注意ください。
・フルカラーオーダーをご希望の際は、まずはメール等でお問い合わせいただき、打ち合わせの上、ご注文ください。
・尚、カラーに関しては、商品ページ以外にもありますので、ご希望をお伝え下さい。